モノクロ写真の必然性

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結論から言ってしまえば、私にとってモノクロ写真は見た目効果を変えるバリエーションの一つに過ぎない。クロスプロセスとかと一緒。という話。

 

写真における2大ジャンルといえば(?)カラー写真とモノクロ写真。

元々は写真はモノクロであって、カラーは後から。当然といえば当然。カラーは報道・商業目的では一気に需要が拡大したのだけど、「芸術的表現といえばモノクロである」というのが当時の論調だったとか。エグルストンがカラー写真での展示を行い「ニューカラー」と言われる流れができるまではそうだったと聞いた。(ソール・ライターはこの流れの時期に入るのか?違うか。商業誌メインでやってたのか、その頃は)

15~20年近く前に「デジタルなんか写真じゃないよ」って言う人が多かったのと近い空気だったのかもしれない。

 

今のご時世、モノクロで自分の写真を見せている人の多くはデジタルカメラで撮ったものをモノクロ化していると思う。ライカモノクロームだとかそんな一部例外を除けばカラーで出てきた写真をモノクロ化だ。中にはカメラ内でモノクロ化してJPG出力する人もいるか?

前置きが長くなってしまったけど、私はいまだにモノクロ写真にする必然性を見出せないでいる。「なんとなくかっこよく見えることがある」程度のことしかない。このことがモノクロ写真になかなか手を出せずにいた要因である。

他の人のモノクロ写真を見るとなんとなく「かっこいいなぁ」とは思う。階調がしっかり残っているモノクロも、「この人、大道大好きなんだろうなぁ」みたいなくっきりしたコントラストのモノクロも。だけど自分がやろうとすると、なにがしっくりくるのか、そもそもなんでこの写真をモノクロ化しようとするのか分からなくなる。最初からモノクロフィルムで撮ってしまえばそうとしか出ないから変に悩まないのだけど。

 

漠然とモノクロ写真もいいなぁ、かっこいいなぁと思いつつ「でもモノクロであるべき写真って何?」と悩みに悩んで数年。結局「分からないや」が結論になった。それで冒頭の結論。あくまでモノクロは見せ方の一つに過ぎない。私にとっては。

3年後くらいにまた悩むことにする。

 

5年位前にライカから出たモノクローム専用デジカメ。中古で10万くらいで買えるのならそういうのもありかな?なんて思ってたら中古でも70万位するのね。元々の値段が100万越えなのか。ないない。