PHOTOJAM TOKYO 2021の個人的な反省

昨年12月12日から今年の1月16日まで浅草の813Galleryで開催されたPHOTOJAM TOKYO 2021に参加させていただいた。10人の絵描きと10人の写真家が参加し、二人一組を作って「絵描きの絵が一枚、写真家の写真が一枚、写真家の写真の上に絵描きがライブドローイングするのを一枚」という3枚x10組の作品が集められた展示。その展示に写真家として参加させていただいた。

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出展した写真作品

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ゴトウヒデオさんとの合作

ゴトウヒデオさん

https://www.instagram.com/hideo_goto_art/

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今回の展示では色々と反省させられる点があったので、忘れないためにもここで振り返りたいと思う。

 

反省点その1:「作品を”売る”という意識が薄かった」

搬入直前に「作品のタイトルと値段を決めて送ってください」と連絡があった。タイトルはともかく値段のことは全く考えていなかった。今まで私が行ってきた個展やグループ展などでも展示写真を売るということは考えておらず、問い合わせがあってから初めて対応するような形だった。「写真を見てもらえればそれでいい」という感覚になっている。

これに関しては絵を描く人と写真を撮る人とで意識が異なっている気がしている。今まで私が観てきた展示では絵画展ではほぼ毎回絵に対して値段が付いていたと思う。有名無名問わず。それに対して写真家の写真展では値段が付いていたり付いていなかったり。同じ写真家でも写真展によって異なっていたように思う。売る気がある展示では写真が奇麗に額装されている。しかしきちんと額装された展示だけとは限らない。有名な写真家の写真展であってもものすごくラフにプリントがむき出しで壁にピン留めされていることもあった。ロバート・フランクの写真展でも新聞紙で使うような紙にプリントされたものがラフに展示されていた。もちろんそれぞれの展示でそれぞれの意図があって、それをここで考察・解説していくのは話が逸れてしまうので割愛する。

ともかく、その感覚があって私は今回の展示は「今見てもらいたい写真を見てもらえればいい」という気持ちで出展していた。しかし主催とその辺に関しての意識の違い・温度差があった。形として分かりやすく出たのが前述にもあった展示方法の違い。私は木製パネルに写真を張り付けた形で展示した。インクジェットで印刷した写真はむき出しの状態だと酸化して変色しやすい。ましてや私のプリンタは染料インクを使用している。顔料に比べて変色しやすい。もちろん額装やアルバムのフィルムに入れておけばかなりの年数変色せず持つのだが、約1か月の展示期間むき出し状態である。もし購入された場合、コンディションが劣化した状態で買ってもらうことになる。2週目に慌ててコーティング用のスプレーを吹き付けたが準備不足甚だしい。本来であれば写真は最初から額装し、ライブドローイングされたものは出来上がった時点ですぐに額装すべきだった。幸か不幸か展示期間中に写真が売れることはなかったのだが、今後ちゃんと向き合わないといけない問題。

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慌てて買った保護スプレー

反省点その2:在廊の仕方

浅草の813ギャラリーは割と小規模のギャラリーだ。展示スペースには10人も入れば結構な密度になり、椅子やテーブルでくつろげる余裕は少ない。ギャラリー入り口近くに椅子・ベンチとストーブを置いて歓談できるようにしていたのだが、ここの使い方を確認しておくべきだった。

時間帯によってはお客様が少なく、その間に在廊している出展者がこのスペースでくつろいでいた。プロアマ問わず写真展やその他展示を観に行ったことがある人で感じたことも多いだろうが、出展者及びその友人らしき人達で一角に集まって駄弁っているのは本当に入りづらい。ゴールデン街の小さな飲み屋みたいな”常連以外寄りにくい”状態になってしまう。せっかくSNSなどで展示情報を見て来てくれた方も入り口付近で入ろうかどうか迷ってしまう。私自身こういう状況が本当に嫌いだったはずなのに、久しぶりのグループ展だったからかすっかり感覚が鈍っていた。

 

他にも反省点はあるのだけど、大きなところで言えば上記2点。

ある程度以上の規模のグループ展に参加すること自体が久しぶりだったこともあって、だいぶ感覚が鈍っていた。観に来てくれるお客様のことを全然考えてなかった。今後こういう機会があることを考えて、このブログに書いておく。参加することになったらこの記事・記録を思いだして読み返すことにしよう。