写真展メモ:西野壮平写真展「線をなぞる "tracing lines"」

みんな大好き(?)西野壮平

どうやら2月6日に情熱大陸で西野さんをとりあげた番組が放送されるらしく、放送後は混むのではないかと思い前日の2月5日に行ってきた

 

キヤノンギャラリーの入り口を入って最初に見えるのは写真集「WATERLINE」からポー川のフォトコラージュとスナップ

これは写真集を持っているし、何度か他のギャラリーでも観たことあるもの。やはりオリジナルを大きなサイズで観るのはいい。イタリア北部にあるという川付近に住む人たちの生活が見える気になる。

f:id:abe_photograph:20220206012635j:plain

"IL PO" iPhoneのパノラマ写真モードで撮影



ここを過ぎると新作や色々なプロジェクトの作品が出てくる。

”山”と”水”を主題に持ってきている作品が数多くあるが、メインビジュアルにもなっている”富士山”よりも奥にある伊豆の海の波を主題にした作品がとても印象に残った。

葛飾北斎富嶽三十六景を思い起こさせるような波の表現。静けさと激しさが同居するような感覚を覚えるのはフォトコラージュだからこそ表現できる特有のものがあるかもしれない。新型コロナ渦で海を見つめながら自分の心境と向かい合いながら撮ったというこの作品。海に浮かぶ漁に使う網の影を繋いだ「お経のような」作品と共に、旅を軸にしていた他の作品とは一線を画すものだった。

f:id:abe_photograph:20220206012141j:plain



エベレストを主題にした作品は山そのものよりも、頂上を目指す人たちとそれを支えるシェルパの生活を主題にしていた。上を目指していく人たちの”線”をなぞったものだということだろう。肝心のエベレストは奥の方にちょこっと写っているだけなのが面白い。

その他にも先に書いた富士山や流氷を主題にしたフォトコラージュなどが展示されている。

 

なぜ私は西野壮平さんの写真が好きなのか?

以前このブログで書いたように、フォトコラージュという手法を知ったきっかけはデビッド・ホックニーの写真だ。ホックニーの写真を初めて観たのが2010年か2011年。その後、2015年くらいに西野さんの「Tokyo」を写真展で観た。たしか今はもうない六本木のIMAギャラリー(2017年に天王洲へ移転)。雑誌でなんとなく存在は知っていたのだけど、オリジナルを生で目にして衝撃を受けた。Tokyo全体を俯瞰するような目線なのだけど、局所的には大きさバランスを無視した要素を入れてくる。だけど全体的にはなんかバランスが取れてる。ずっと飽きずに観ていられる。きっと私はこういう情報がぎっちり詰まったものが好きなのだ。

 

 

imaonline.jp

」>

 

私もホックニーや西野さんの影響からフォトコラージュを作っているが、思想・完成度全てにおいてとても遠いところにあると感じる(いや当たり前の話だし、アマチュアが何を言ってるんだという話なんだけど、ここは一つ同じ土俵に立ってる風を装わせてほしい)。私は私なりの主題・意図で今後もこの手法で撮っていきたい。

 

※ちなみにこの写真展は撮影OK、SNSOKということで撮影した写真をこのブログに載せた。

動画とフラッシュ撮影は駄目だそうです